oasismathの日記

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1週間の株式相場振り返り(6月17日〜6月21日):バーナンキ・ショックで世界中が大混乱

今週の19日、バーナンキFRB議長はFOMC後の会見で「年内の資産買い入れペースを縮小させる可能性」について言及した。

バーナンキ米FRB議長の会見要旨(ロイター):

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE95I03V20130619

この発言によって世界中の株式市場、債券市場、為替、商品市場に影響を及ぼし、大きなボラティリティと価格下落を引き起こした。

今週のダウは1.80%の下落、米金利は0.38%も上昇、ドル円は3.68%の円安となり、原油価格は5.08%の下落、金価格は6.99%も下落した。

 

世界中の株式市場も今週大きく下落したが、日本市場だけは金曜日の円安に奮起したのか、先週末の下げの修正もあって4.28%の上昇となった。

 

 

  5月24日 5月31日 6月7日 6月14日 6月21日 1週間変化率
DJIA 15,303.10 15,115.57 15,248.12 15,070.18 14,799.40 -1.80%
日経 14,612.45 13,774.54 12,877.53 12,686.52 13,230.13 4.28%
WTI 93.87 91.61 95.93 97.89 92.92 -5.08%
1,385.50 1,395.00 1,384.00 1,389.90 1,292.80 -6.99%
$/¥ 101.34 100.42 97.53 94.22 97.69 3.68%
€/¥ 131.09 130.43 128.92 125.75 128.14 1.90%
€/$ 1.29 1.30 1.32 1.33 1.31 -1.72%
米金利 2.01 2.16 2.16 2.13 2.51 0.38%
VIX 13.99 16.30 15.14 17.15 18.90 1.75%

 

この1週間、そしてその前の1週間を含めて世界の資金の流れがどのようになったかは為替の動きからある程度判断することができる。

下の表は5月1日から先週末までの通貨の対ドルでの変化率、そしてその後1週間の変化率を表しており、今週はほぼ全ての通貨が対ドルで下落している。中でも特に資金流出が激しかったのが大規模なデモで政情不安になっている「ブラジル」、「トルコ」、そして資源関連国の「オーストラリア」、「ニュージーランド」、「ロシア」が順に下落している。

驚いたことに、今週上から4番目に通貨下落を経験したのが日本円で、これは何を意味するのか直ぐに理解できなかった。しかしよく考えてみれば、その前までの週で対ドルで最も価値が上昇していたのは日本円であり、今週は過度に買われた日本円が調整されたに過ぎないと考えるのが自然だ。

累積で見てみれば-0.6%はユーロ、スイスフランに次ぐ対ドルの下落率であり、結局は新興国、資源国からの資金流出は米国を中心に、ユーロ、スイスフラン、日本円に回帰していると考えるのが妥当だろう。(よって過度な円安は期待できないと思う。)

 

 

1$=XX(Currency) 5月1日 6月15日 6月21日 5/1→6/15 6/15→6/21 累積
Brazilian Real (BRL) 2.0015 2.1390 2.2534 -6.4% -5.1% -11.2%
Turkish Lira (TRY) 1.7911 1.8566 1.9373 -3.5% -4.2% -7.5%
Australia (AUD) 0.9643 1.0440 1.0848 -7.6% -3.8% -11.1%
日本 Yen (JPY) 97.279 94.215 97.825 3.3% -3.7% -0.6%
New Zealand (NZD) 1.1676 1.2425 1.2898 -6.0% -3.7% -9.5%
Russian Rouble (RUB) 31.006 31.813 32.888 -2.5% -3.3% -5.7%
Indian Rupee (INR) 53.803 57.540 59.276 -6.5% -2.9% -9.2%
韓国 Won (KRW) 1100.7 1127.5 1156.4 -2.4% -2.5% -4.8%
南ア Rand (ZAR) 8.9714 9.9700 10.2200 -10.0% -2.4% -12.2%
Singapore (SGD) 1.2315 1.2520 1.2755 -1.6% -1.8% -3.4%
Thai Baht (THB) 29.243 30.565 31.135 -4.3% -1.8% -6.1%
British Pound (GBP) 0.6437 0.6369 0.6482 1.1% -1.7% -0.7%
Euro (EUR) 0.7595 0.7493 0.7623 1.4% -1.7% -0.4%
Swiss Franc (CHF) 0.9294 0.9213 0.9344 0.9% -1.4% -0.5%
中国 Yuan (CNY) 6.1664 6.1367 6.1375 0.5% 0.0% 0.5%
香港 Dollar (HKD) 7.7615 7.7631 7.7587 0.0% 0.1% 0.0%

(出所) Yahoo! Finance Currency Centerより作成

 

このような混乱した1週間の中、発表された主要な統計値は改めてバーナンキ発言の実現可能性を示唆するものとなっている。特に中古住宅販売の大幅な上昇は、米国経済の着実な改善傾向をサポートする材料となっており、その他の指標もほぼポジティブな傾向を示している。

 

一方で懸念材料はやはり中国経済、今週発表された製造業PMIはがっかりさせる内容で、さらには短期金利の急上昇も演じて世界中を一層不安に陥れた。

上海短期金融市場=人民元金利は過去最高水準に急上昇(ロイター):

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPL3N0EW13J20130620

金利上昇の背景には、中国人民銀が短期市場への資金供給を絞り「シャドーバンキング」への資金抑制に向けて断固たる措置をとった結果だとされている。

この辺の流れは、かつてのベア・スターンズリーマン・ブラザーズを彷彿させるものであり、「中国発の緊急危機」というあまり考えたくない可能性も頭の片隅において置かなければいけないかもしれない。

 

◆主要な統計値発表

  • 6月 米フィラデルフィア業況指数 12.5 (5月 -5.2)
  • 5月 米中古住宅販売 (百万戸) 5.18 (4月 4.97) 
  • 5月 米住宅着工件数 +6.8% (4月 -14.8%)
  • 5月 米住宅着工許可件数 -3.1% (4月 12.9%)
  • 5月 米消費者物価指数 +0.1% (4月 -0.4%)
  • 6月 NY州製造業業況指数 7.84 (5月 -1.43)
  • 今週の米新規失業保険申請 354,000件 (先週 336,000件)
  • 6月 ユーロ圏消費者信頼感指数 -18.8 (5月 -21.9)
  • 6月 ユーロ圏総合PMI 48.9 (5月47.7)
  • 6月 中国製造業PMI(HSBC) 48.3 (5月 49.2)

(出所) ロイターニュースより作成