oasismathの日記

家族みんなが大好きな洋楽やX Factor, Gleeの話題、週末の日記、ワインや料理の話、ときどきミュージカルの告知など、雑多なテーマについて書き綴るブログ。

『アナと雪の女王』の"Let It Go"25ヶ国バージョンがなぜこんなにも素晴らしいのか?

木曜日の夜、ブロガーのちきりんさん(ちきりんパーソナル)を中心に『アナと雪の女王』の"Let It Go"25ヶ国版がすごい!という話で盛り上がっていましたので、ふとその裏側を知りたくなり可能な範囲で調べてみました。

※ちなみに25ヶ国の歌い手を調べようとすると当然英語での情報入手が困難となりますので、私の勝手な解釈がかなり含まれます。

 

まずはタイトルにもある話題の動画を御覧ください。


Let It Go - Multi--language "Behind The Mic" version (from "Frozen") - YouTube

 

この動画、本当に素晴らしのですが、これを見た多くの人が幾つか共通の感想を持ったようです。

  1. こんなにも沢山の国の人が歌っているのに、同じイメージの歌い手を集めて1曲の歌に仕上げていて凄い!
  2. 歌っている人たち本当に美しいし、音源の収録だけなのに感情を込めたジェスチャーが素晴らしい!
  3. そんな中でも、日本語パートの松たか子さんの評価が(日本だけに限らず)高い!

 

この背景を探っていくと、とても面白いストーリーが浮かび上がってきましたので順番に説明して行きたいと思います。

 

1つ目の疑問ですが、それはそもそもこの歌の起源を探っていくと答えらしきものが見えてきます。そしてこれがその後の2番目、3番目の疑問の答えへとつながっていきます。

 

まず、この歌の起源は次の記事に書かれております:

Listen to Songs From Disney’s ‘Frozen’ and Hear How They Were Written - Speakeasy - WSJ

ソングライターはBobby LopezとKristen Anderson-Lopezですが、記事の中で次のようなコメントをしていました:

The movie’s showstopper, “Let It Go,” was written for Idina Menzel (“Rent,” “Wicked”), whom Bobby calls “one of the most glorious voices of Broadway and an icon in musical theater.” He says the song emerged from the singer’s palette — “the low, vulnerable, fragile side of her low end, and then the power that’s inherent in her belt range.”

(拙訳)

この映画のショーストッパー(素晴らしい演技で拍手喝采によりショーを一時中断する)”Let It Go”は、ブロードウェイ界で最も輝ける声を持つ1人で、ミュージカル界のアイコンでもあるイディナ・メンゼル(”レント”と”ウィキッド”で有名)のために書きました。この歌は彼女のパレット(低音での傷つきやすくはかない側面と、それに続く主要な音域での彼女本来の個性からくる力強さ)から生まれました。

 つまり、この”Let It Go”は、Idina Menzel個人の性質と密接に関わっており、その特徴はかつて彼女がトニー賞で主演女優賞を受賞したミュージカル”ウィキッド”のエルファバ役のイメージが大きく関係していると思います。

ちなみにこのエルファバが歌うDefying Gravityは邦題が「自由を求めて」であり、エルサが歌う”I'm Free〜♪”の歌詞とも被り、今回の"Let It Go"と中身が対比され語られています。

そしてこのIdina Menzelのイメージが夜空に輝く北極星のような不動の軸となり、それぞれの国でエルサ役の声をやる人の人選に大きな影響を与えたのだと思います。

実際、各国で歌っている人でミュージカル・ウィキッドの「エルファバ」役をやっていた人は、私の調べた中で3人いました(ドイツ&オランダ語のWillemijn Verkaikさん、韓国Hye Na Parkさん、デンマークのMaria Luciaさん)。

また、その国の”エルファバ”役ではなくても「ミュージカル女優」として活躍している人も数多く抜擢されていました(フランス語&カナディアンフレンチのAnaïs DELVAさん(何かの舞台やってました)、日本の松たか子さん(色んな主演やってる)、ハンガリーのFüredi Nikolettさん(オペラ座の怪人・クリスティーヌ役))。

このようにIdina Menzelの「エルファバ」であり、「ミュージカル女優」という看板が、それぞれの国でのエルサ役の人選に統一感をもたらし、25ヶ国の歌をつなげた曲が1つの美しい作品に仕上がったのではないかと思います。

 

2つ目の疑問に対しては、1つ目の疑問では出てこなかった国の歌い手と関わってきます。全ての国おいてミュージカルが盛んではなく、ミュージカルがビジネスとして成り立たない国も多いと思います。そんな国でどんな人がエルサ役として選ばれたかと言えば、私が動画で確認した限り、その国の”歌手”か、あるいはX Factorのような才能ある歌手を発掘する音楽番組で勝ち残った”歌手の卵”(→一部はその後デビューしたプロ)のようです。

つまり、今回エルサ役として選ばれている全ての人は、声優のような一般的には顔を出さない裏方の人々ではなく、実際に舞台に立ち、魅せることに全身全霊を込めて歌う人々でした。

そしてこういう人々は歌っているときが最も輝いている瞬間であり、たとえ私服のような格好で歌っていても、本気モードでは自然とジェスチャーは出るし、それを見た私達は本当に美しいと感じるのではないでしょうか?これが2つ目の私の答えです。

 

最後に、なぜ松たか子さんは25ヶ国の中で特に評価が高いのでしょうか?

【海外の反応】 パンドラの憂鬱 海外「日本語は別格!」 25ヶ国語で繋ぐディズニー最新作の主題歌が凄い

皆さんも25ヶ国バージョンを聞くと分かるかと思いますが、松たか子さんの時だけ雰囲気が変わります。これは先ほどの統一感とは異なるもので、日本だけ異なる基準で人選が行われたのではないでしょうか?

日本でも現在ミュージカル・ウィキッドは公演されており、エルファバ役も数多くの人がやってきました。しかし日本では、その人達が選ばれず、松たか子さんが選ばれました。確かに知名度による宣伝効果を狙ったというのもあるかもしれませんが、それだけでは松たか子さんを知らない外国人から好評価はもらえません。そこには日本で人選を行った人のある想いがあったのではないでしょうか?

よく見ると外国人からのコメントに「可愛い」が連発されています。つまり、日本の人選は、単にIdina Menzelの力強さを踏襲するのではく、クオリティは維持しながらも日本ならではの「可愛い」らしさを求めて、松たか子さんにオファーしたのではないでしょうか?

その結果、統一された声質の中で、サビの「ありのままの・姿みせるのよ」の部分が透明感が際立ち、突然天使が舞い降りたかのような感覚になり「鳥肌が立った」なんてコメントに繋がったのだと思います。

あえてIdina Menzelのキャラから外れて、その役をこなすというのは相当難しかったのではないでしょうか?しかし、それを見事にやり遂げた松たか子さんには最大限の賛辞を送りたいと思います。

 

以上、”Let It Go”25ヶ国バージョンに対する3つの共通の疑問から、検索して分かる範囲で調べてストーリーを展開し、この動画の素晴らしさに迫ってみました。

 

これは私の解釈で、本当のストーリーは全く別のものなのかもしれません。

しかし、この25ヶ国の言語で繋ぎ合わされた1つの歌は、それぞれの歌い手さんの生まれ持った才能、経験、情熱、そして奇跡的な巡り合わせによって完成されたことは疑いようのない事実です。

 

この音楽の作成に携わった全ての関係者に感謝したいと思います。

 

P.S.

我が家のアチコもこの才能の一員になれるように頑張っております。


Let It Go (from "Frozen" Idina Menzel Version) cover by ACHIKO (8 Years Old) - YouTube