1週間の株式相場振り返り(7月30日〜8月2日):雇用統計と「ジブリの法則」?
今月も雇用統計が発表される1週間がやって来ました。
さらに今回は、統計が発表されるのとほぼ同じ時間帯で「天空の城ラピュタ」でシータとパズーが「バルス!」と唱えるため、市場関係者は戦々恐々としておりました。そしてその時の株価の反応がこれ ↓
(出所)日経新聞HPより
強烈なインパクトで円高に進行しております。バルスを唱えられた後、ムスカは本当は「円が〜、円がぁ〜!」と言っていたのではないでしょうか。(本編では「目が〜、目がぁ〜!」ですが。)
その後、ウォールストリート・ジャーナルでは以下の様な報道が発表されています:
時事ドットコム:「ジブリの法則」正しい?=米雇用統計で相場荒れる
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1面で宮崎駿監督の顔のイラスト入りで、法則を紹介する記事を掲載。ジブリ作品の放映時間と重なった9回の雇用統計の発表のうち、8回は市場予想を下回る数値が公表され、7回はドル安になったという。
2日はジブリ作品「天空の城ラピュタ」が放映されたが、WSJ紙は電子版で「(法則が)またもや正しいことが証明された」と報道した。
以上、なんとも壮大なバカバカしい話ですが、勝負事の関係者はゲン担ぎが大好きですね。
さて、気を取り直して今週の相場振り返り。
今週は結果として動きの小さい1週間でしたが、それは金曜夜の雇用統計発表後のインパクトまでも含めた話で、それ以前の情報である日経225はやや過大反応したものとなっています。(来週月曜日は大きなマイナスでしょう。)
7月5日 | 7月12日 | 7月19日 | 7月26日 | 8月2日 | 1週間変化率 | |
DJIA | 15,135.84 | 15,464.30 | 15,543.74 | 15,558.83 | 15,658.36 | 0.64% |
日経 | 14,309.97 | 14,506.25 | 14,589.91 | 14,129.98 | 14,466.16 | 2.38% |
WTI | 103.63 | 106.25 | 108.47 | 107.00 | 106.88 | -0.11% |
金 | 1,222.40 | 1,280.00 | 1,292.60 | 1,333.70 | 1,314.00 | -1.48% |
$/¥ | 101.22 | 99.32 | 100.50 | 98.58 | 98.94 | 0.36% |
€/¥ | 129.86 | 129.78 | 132.08 | 130.89 | 131.40 | 0.39% |
€/$ | 1.28 | 1.31 | 1.31 | 1.33 | 1.33 | 0.03% |
米金利 | 2.72 | 2.60 | 2.49 | 2.56 | 2.60 | 0.04% |
VIX | 14.89 | 13.84 | 12.54 | 12.72 | 11.98 | -0.74% |
為替を見てみると大きく影響を受けている国が幾つかあり、「AUD」や「NZD」などの資源系の通貨、そして「BRL」や「INR」など政情が不安定な国家での通貨下落が大きいです。
週間ベースだとそのインパクトはわかりづらいですが、ジワジワと新しい世界にシフトしている印象を受けます。
1$=XX(Currency) | 7月19日 | 7月26日 | 8月2日 | 7/19→7/26 | 7/26→8/2 | 累積 |
中国 Yuan (CNY) | 6.1419 | 6.1371 | 6.1326 | 0.1% | 0.1% | 0.2% |
Euro (EUR) | 0.7609 | 0.7532 | 0.7530 | 1.0% | 0.0% | 1.0% |
香港 (HKD) | 7.7569 | 7.7578 | 7.7572 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Swiss Franc (CHF) | 0.9409 | 0.9286 | 0.9291 | 1.3% | -0.1% | 1.3% |
ロシア Rouble (RUB) | 32.327 | 32.808 | 32.837 | -1.5% | -0.1% | -1.6% |
Turkish Lira (TRY) | 1.9196 | 1.9235 | 1.9257 | -0.2% | -0.1% | -0.3% |
Thai Baht (THB) | 31.027 | 31.126 | 31.263 | -0.3% | -0.4% | -0.8% |
Singapore (SGD) | 1.2657 | 1.2642 | 1.2719 | 0.1% | -0.6% | -0.5% |
British Pound (GBP) | 0.6549 | 0.6501 | 0.6542 | 0.7% | -0.6% | 0.1% |
日本円 (JPY) | 100.500 | 98.265 | 98.940 | 2.3% | -0.7% | 1.6% |
南ア Rand (ZAR) | 9.8650 | 9.7641 | 9.8410 | 1.0% | -0.8% | 0.2% |
韓国 Won (KRW) | 1120.6 | 1112.3 | 1121.9 | 0.7% | -0.9% | -0.1% |
Brazilian Real (BRL) | 2.2353 | 2.2532 | 2.2850 | -0.8% | -1.4% | -2.2% |
New Zealand (NZD) | 1.2605 | 1.2370 | 1.2760 | 1.9% | -3.1% | -1.2% |
Indian Rupee (INR) | 59.389 | 59.051 | 61.111 | 0.6% | -3.4% | -2.8% |
Australia (AUD) | 1.0890 | 1.0795 | 1.1228 | 0.9% | -3.9% | -3.0% |
(出所) Yahoo! Finance Currency Centerより作成
最後は統計値、雇用統計は思ったほど改善しておらずQE縮小はまだ先かなと思わせる内容でした。ただしISM製造業や自動車販売台数が強烈に良い数字で、相変わらずの米国経済の好調ぶりです。
一方中国、国家統計局が発表したPMIは前月から改善し、マーケットは一瞬好感しました。でも、それとは逆の結果がHSBCから報告されており、どちらを信じるべきかといえば、もちろん、、、ですよね〜。
◆主要な統計値発表
- 7月 非農業部門雇用者 162,000人 (6月 188,000人)
- 7月 米失業率 7.4% (6月 7.6%)
- 7月 米自動車販売台数(前年比) 14.0%
- 7月 ISM製造業景気指数 55.4 (6月 50.9)
- 7月 米シカゴ購買部景気指数 52.3 (6月 51.6)
- 7月 米ADP民間雇用者数 200,000人 (6月 198,000人)
- 7月 CB消費者信頼感指数 80.3 (6月 82.1)
- 今週の米新規失業保険申請 326,000件 (先週 345,000件)
- 米第2Q GDP(速報値, 年率換算) +1.7% (1Q 1.1%)
- 7月 中国製造業PMI(国家統計局) 50.3 (6月 50.1)
(出所) ロイターニュースより作成